常に変化する顧客マスタ
システム技術者教育では、マスタデータを説明する時に、頻繁には変わらないものをマスタ・データと称しています。対極として移り変わるデータをトランザクション・データとして説明しています。
しかし、顧客マスタにおいて例えば法人の場合、顧客企業の組織改編や配置転換によって、所属部署や役職名は数年ごとに変わっていきます。個人顧客においても、住所や携帯番号がずっと変わらないという事は、あり得ません。
財務発想のシステムでは、顧客マスターは売掛先として登録するものであり、請求書発行先としての住所や口座番号の登録です。これらは頻繁には変わりません。
先進の顧客管理システムでは、取引発生前の段階から顧客を捉え、その移り変わりを履歴保存する様になっています。いつどの商品について仕様や納期を打診してきて、案件ごとに顧客の意思が固まっていく様子をデータとして記録していきます。移り変わる顧客の嗜好や意思決定の変遷を記録し分析する。だからこそ情報システムと呼べるものになってきました。顧客マスタは取引が発生した客のみを登録するのではなく、取引が発生する前の見込顧客から登録する。最新のシステムはこの様に考え方が変わってきています。
<使えないマスタから、使えるマスタへ>
システムを業務処理に使う、あるいは業務を効率化する為の単なる手段として使うだけでなく、計数に基づいた根拠のある意思決定ができる基幹システム作りをユーザーの視点から要求定義するご支援を致します。