経営体質の強化
経営体質の強化
数千万円から数億円するシステムを現場力を向上するだけに使っては、経営者は納得できないでしょう。IT化を単なる業務の効率化に終らせるだけでなく、戦略を日常業務に落とし込み、マネジメント力を強化する事により、企業体質を「強く・太く」内部統制のとれた状態にします。
<先行管理の仕組み作り>
月次試算表や決算書でマネジメントする事は、「過ぎてしまった結果」で管理する事になります。ビジネスの世界において過ぎてしまった結果を取り戻す事はできません。経営環境が日進月歩で変化する中では、今の状態を素早く判断して次の手を打つ必要があります。IT化によって「先行管理」を可能とすべく改善します。
例えば会社の状況をリアルタイムに把握し、売上と仕入のバランスを取る事が可能にします。
今までのシステムは、いわば「売上伝票発行機」でした。物の動きを金銭で捉え、会計に役立てるものです。しかし、これは従来の物の考え方です。このままでは、IT化したとは言えません。
先進の情報システムでは、顧客からの打診や引合という取引の「兆候」が現れた瞬間から情報を捉えます。すると「何を求めようとしているのか」「なぜ売上が上がったのか」など、原因や理由が分かるようになります。
顧客が増えているのか、久しくコンタクトのない顧客がどれだけいるのか、が分かるようになります。
だから経営の次の一手が打てるのです。競合他社より早く打てるのです。このように、経験と勘と度胸の世界を脱し、データに基づいた「根拠のある意思決定」をする仕組みを作り上げます。
(情報化の一例)
兆候指標 | 事前指標 | 基幹業務全般に関わる従来指標 |
---|---|---|
引 合 | 見 積 | 受注・仕入から売掛/買掛管理まで |
<PDCAサイクルの高速化>
計画して実行する事は、多くの会社で実行されていますが、その実績を評価し、場合によっては計画修正を行うなど、「経営のかじ取り」をするには、意思決定を四半期や月次という間隔ではなく、週次や日次という短周期で行うようにマネジメントを回します。
そのベースとなるのが、日常業務をリアルタイムでデータ収集する事です。いかに優れた情報システムを導入しても、人の動きが従来のままでは、何のためにIT投資を行うのか、不明確になってしまいます。
だからIT化するには、同時セットで業務改善が必要なのです。
業務には目的があり、その目的を達するにはどうするのが最も良いのか、根本的に業務手順を見直します。どうするのが最も良いのかという判断基準が「効率化」だけでは、単なる現場改善にすぎません。経営効果にまで結びつけるには、経営計画に沿っているかという尺度と業界内で差別化につながっているかという尺度にて判断し、構築します。
こうして経営の高度化につなげます。